北上線の特徴
「The ローカル線」のちょうど良い旅
ローカル線は長時間の乗車になると思っていませんか?終点に着いたら駅前に何もないと思っていませんか?JR北上線の始発駅と終着駅は、北上駅と横手駅。どちらも地方都市のため、飲食やお買い物に不便もありません。北上駅~横手駅間は約1時間20分。しかも、北上駅は新幹線の乗換え駅でもあるため、首都圏からでも1回の乗り換えでローカル線に乗れます。そんな気軽に乗れるのに、奥羽山脈の大自然の中を横断する正真正銘のローカル線です。
水没林を抜ける絶景の列車
北上市と横手市の間にある西和賀町。この町には湯田ダム(別名:錦秋湖)があります。山を抜けるとそこには広大な湖が広がり、JR北上線はこの湖沿いや湖を横断しながら進んで行きます。そして、この錦秋湖では春になると全国でも珍しい「水没林」という景観を見ることができます。4月末から6月上旬の限られた期間に、湖の水位が上がり木々が湖に飲み込まれマングローブのような景色が広がります。JR北上線は水没林を抜ける珍しい路線であり、この光景は一見の価値があります!
四季毎に全く異なる景色
春は一面に水が張られた水田、夏は風になびく緑に成長した稲、秋は金色に色づいた稲穂、冬は銀世界。沿線にある田んぼの景色だけでも、四季でこれだけ変わります。それに加え、水位が季節により10メートル以上変動する湖、一面の紅葉、秋に実る葡萄、豪雪地帯の想像を超えた積雪。四季がはっきりとした地域を通る路線のため、季節が異なると同じ場所とは思えないほど車窓からの景色が変わります。年4回乗っても楽しめるローカル線です。
全国有数の豪雪地帯を走る
雪国を走る列車は全国に多くありますが、JR北上線はその中でも有数の豪雪地帯を走っている列車です。沿線3市町のうち、北上市は豪雪地帯に指定されており、西和賀町と横手市は特別豪雪地帯に指定されています。積雪は2メートルを超えることもあり、主要な踏切以外は冬期通行止めで雪に埋もれている箇所もあります。雪をかき分けて列車がホームに入ってくる光景は、都会では見ることのできない圧巻の瞬間です。
北上線ヒストリー
2024年で全線開通100周年! ~岩手と秋田をつないできた歴史ある路線~
JR北上線は1920年に秋田県側の横手駅 と相野々駅を結ぶ7.7 kmの区間が西横黒軽便線として開業。1921年に岩手県側の黒沢尻駅(現在の北上駅)と 横川目駅を結ぶ14.3 kmの区間が東横黒軽便線として開業。その後、1924年11月15日に黒沢尻駅-横手駅間が全線開通して、2024年で100周年を迎えました。全線開通当時は、横手と黒沢尻(くろさわじり)の頭文字をとって横黒線として改称。そして1966年に北上線と改称し、現在に至ります。
1996年には、秋田新幹線を走らせるために必要な工事に伴い、田沢湖線が全面運休となったため、1997年3月の秋田新幹線開業までの間、その代替として北上駅と秋田駅を結ぶ特急「秋田リレー」が走り、岩手と秋田をつなぐ鉄路で重要な役割を果たしてきました。